釣れない時こそ経験が生きる 今回の取材釣行は、根魚五目狙い。台風の合間の乗船となった今回は、海の底の状態が悪く魚の活性は今一だったが、大萬丸の大貫定男船長はやはりタダ者ではなかった。「今日はサッパリだね〜」操船室の真横に釣り座を構えていた私には、無線で他船の船長の声が良く聞こえ、日が悪い事を宣告される。
ところが大貫船長は、河原子沖〜磯崎沖の区間約20kmをまめに移動をしながら、各ポイントで少しづつでも釣らせてくれるので、気が付けば、クーラー満杯とはいかないまでも十分なお土産を確保していた。しかも、他の乗船客のクーラーを覗くと型のいいムラソイや黒メバル、おまけにヒラメが賑やかに並んでいる。「ここは根がキツイからオモリを少し浮かせてよー」「ここは底立ちをとってねー」「休んでたら連れないよー」と次から次へと的確なアドバイスのおかげである事は言うまでもない。
また、竿のしなり方で大物と見るやいなや、助手の鈴木さんがタモを片手に走り回っているので、取り込み直前のバラシが殆どないことも釣果を伸ばしている要因であろう。
そして嬉しいのが、沖上がり後の昼食のサービス。船着場から5mの所に大萬丸のテントがあり、オカミさんが笑顔と冷たいお茶で迎えてくれる。テーブルには、きれいに盛り付けられた冷やしうどんが並んでおり、味もGood
! わざわざそば屋の出前を取っているのかと思ったら、オカミさんの手料理だそうだ。「暑い時は、冷やし中華や冷やしうどんなんかを召し上がって頂いているんですよ」と本当に気さくな方で、みんなをなごませてくれた。
大萬丸は、2年前に漁業から転身をされたそうだが、職漁のように魚を追う船長と「遊漁船は新米ですから」というオカミさんの一生懸命なサービスで、お客さんの心をがっちりと掴んでいるようだ。今度の週末は是非ムラソイ狙いで釣行してみては如何でしょうか。ただし、24名乗りの船を12名限定で出船しているので、予約はお早めに!
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